中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2137回
病院は治療と経営の分離が必要です

私はもう同じ病院に
定期的に通うことを20年も続けています。
一軒は人間ドック専門の病院で年に2回、
ドック入りをしていますが、
私が通いはじめた頃の入会費は10万円でした。
それがいまは50万円で、
しかも会員が何十倍にもふえています。
どこが便利かというと、
朝の8時半に出かけて行くと、
11時半にはすべての結果が出て、
多忙な人には打ってつけだからです。
半年に一回行きますと
政治家とか有名人の人によく出会います。

もう一軒は治療のための定期診察のために
月に一ぺん出かけますが、
ここも20年近く通院してきました。
はじめの頃は糖尿の診察と治療だけでしたが、
年をとるに従って器官のあちこちに
故障が続出するようになったので、
いまでは心臓外科でも耳鼻科でも常連になり、
眼科、泌尿器科、内科でも
時々お世話になるようになりました。
血の検査と心電図は
毎月必らず記録をとりますので、
みんな馴染みになっていますが、
一番驚くのは年々患者がふえて
大きな待合室に
坐わるところもないようになったことです。
私はいまも現役で仕事に追われているので、
皆と一緒に順番を待っているわけに行かないので、
待ち時間なしの治療を受けていますが、
この調子で社会全体の老化がすすめば、
病院がどうなるのか心配になってしまいます。

これだけ病院は繁盛するようになったのに
どこの病院も赤字で苦しんでいるという話を
よくききます。
もしこれが営利目的の事業なら、
高収益で高株価の起業になる筈のものが
保険料を支払う健康保険も大赤字なら、
治療をする病院も大赤字だとすると、
どこかに大きな欠陥があると言うよりほかありません。
私に言わせると、大学と同じように
大病院も経営センスのない学者や医者によって
運営されていることに問題があります。
経営と学問や治療は分離して、
先生でない専門の経営者が
大学と病院の経営に当らない限り、
だんだん借金の重荷に耐えかねて沈没して行くのを
避ける方法はないのではないでしょうか。
私の場合は病院が潰れる前に
自分が死んでしまえば
それで一件落着ですが・・・。


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