中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2153回
不動産が一番儲かります。でも私は

高度成長をする中国で
何が一番儲かる商売かときかれたら、
「やっぱり不動産でしょうね」と答えたくなります。
中国のどこの大都市でも
猛烈な勢いで不動産の開発が行われています。
私たちの目の前に現われる新興成金も
ほとんどが不動産で
あぶく銭に恵まれた若い人たちです。
30才より前という人も珍しくありません。

なかでも上海が一番で、
1平米あたり1万人民元以下だった住宅が
3万元にもはねあがったし、
新天地の周辺では
5万元にも7万元にもなっているのですから。
それならどうして自分でやらないで、
ジッと見ているだけなんですか、
ときかれてしまいますが、
もうこれ以上やる気を起さない理由が二つあります。

一つは自分の齢と関係があります。
日本の経済成長期には私もマンションを買ったり、
ビルを建てたりしました。
不動産が面白いように値上がりしたので、
財産が何十倍にもふえました。
調子にのってそのまま続けていたら
土地の大暴落にあって
全財産を失ってしまうところでした。
土地に建物を建てて貸出して得た収入で
借金の返済ができない場合は
借金をしないという法則を守って、
借金を控えたので、辛じて土俵に片足が残り、
倒産はどうやら免れました。

その一方で、人より早く海外投資で
不動産にも手を出しましたが、
不動産の海外投資は日本国内でやるよりも、
ずっと手ごわい仕事です。
本当にさんざんな目にあいました。
ここでも辛じて生き残ったので、
人から見たら成功者に見えますが、
コツを覚えるのに
10年以上もかかってしまいました。
これからやるのなら、
授業料は一通り払いましたので、
何とか粗忽なくやれる自信があります。
でももう齢ですから
あと何年も生きられるわけではありません。
食うに困るわけでなし、
ビルがあと3軒か5軒ふえたからといって
何の足しにもならない立場になってしまったのです。
ゲームとしてお金をふやす喜びは
まだ残っていますが、
不動産で一財産つくる必要は
なくなってしまったのです。
但し、これは皆さんの参考になる話ではありません。


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