中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2156回
中国の外貨準備高は世界一の水準に

ことしは年の始めから香港市場が
勢いづいていると申し上げましたが、
ではどこに陽が当って、
どんな業種が機関車の役割をはたすのか、
はっきりしないところがあります。

ならば成長のスピードがおちて
景気が悪化するかというと、
そういう気配も見えません。
中国の貿易黒字は
昨年度はじめて1000億ドルにのせましたが、
その後、衰える様子もありませんので、
このままの状態が続くと
ことしの前半で中国の外貨準備高は日本をこえて
世界一にのしあがることは
ほぼ間違いありません。
もちろん、一人当りになおせば、
まだまだ遠く日本に及びませんが、
港を出入りする商品のスケールから言ったら、
世界のトップに躍り出る時代に入りつつあります。

これといったトップを切る業種がないとすれば、
平均して成長が続くことになりますから、
昨年あたり大活躍をした石油や石炭や鉄、
アルミ、金などの素材産業は
利益の伸び率は別として
依然として好況が続くと見てよいし、
不動産開発についても
ほぼ同じことが言えます。
もしこれに自動車部門の恢復が加わるならば
景気の上昇にはスピード・アップが期待できます。
何しろ昨年は前々年後半に続いて
自動車の値引き競争が激化し、
業界全体が減益に見舞われて
株価が軒並み値を崩しました。
にも拘らず、自動車の生産台数は
580万台と前年より
やはり2割近く伸びましたから、
もし値引き競争が一段落したら、
自動車株に対するナンピン買いが
証券市場を活気づけるきっかけになるでしょう。
自動車株で引かれっぱなしになっている
投資家にとっては
注意の怠れないところです。

もちろん、国内消費は
レストランや旅行などのサービス業を中心に
きわめて堅調な動きを示しています。
サービス業の重要性を無視した成長統計を
2年にわたって修正したくらいですから、
サービス業の急成長もバカにはできません。
国内消費の成長が経済の成長をリードする時代に
入ってきたのです。


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