中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2157回
次の人気株は中国の銀行株と保険株

証券界に
機関車の役割をはたす業種や銘柄のない時は、
産業界が沈滞していることが多いのですが、
ことしのように
全体がドングリの背比べみたいになると、
高度成長の続くなかでの背比べですから、
どこに投資したらよいのか、
思い迷うことが多くなります。
いい銘柄だと思っていた銘柄がもたついて
なかなか上がらなかったり、
優良銘柄の業績が鈍化して
株価を下げたりします。

こういう時に手堅く稼いで
投資家たちの人気を集めるのは、
何と言っても銀行株や保険株などの
金融株ではないかと思います。
経済の成長期は産業界は
どこも資金需要が旺盛ですから、
銀行の世話にならない企業は先ずありません。
日本の場合は戦後のお金のないところから
出発しましたので、
借金経営からスタートして高度成長に入ってからも
ずっと借金経営を続けました。
その分だけ銀行は産業界に深入りして
経済成長の恩恵を蒙りましたが、
デフレになると深くかかわった分だけ
産業界のピンチに足をさらわれ、
お金を貸した方が倒産したり、
整理統合されたりして
立ち直るのに大へんな時間がかかってしまいました。

しかし、成長期に
多くの企業とかかわりあいを持つことは
産業界の分け前に銀行が割って入ることですから、
銀行界に平均的な利益をもたらします。
かつて国営事業が中心になっていた時代は
政府の命令一つで融資しましたから
中国の銀行は不良債権で
身動きができなほどの目に合わされました。
この4、5年、
政府の懐具合がよくなったせいもあって、
不良債権の整理がすすみ、
きれいな身体になった大銀行が
次々と香港に上場して
厖大な資金を集めるようになりました。
銀行のおかれた環境が好転したことと、
中国の銀行に世界中の優良銀行が資本参加して
近代経営を持ち込んだこともあって、
香港に上場した大陸の銀行は
いずれも堅調な動きを示しています。
昨年から次々と上場され、
今年も後続部隊のある銀行株と保険株は
石油株と並んで
香港の人気株を代表するようになることが
考えられます。


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