中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2166回
不動産の値段は上海と成都で十倍のひらき

中国で商売をやる場合、
店をリースしてやるのには危険が伴います。
ちょっと景気がよさそうに見えたら、
契約期限が来るとすぐにも大家から家賃の値上げを要求されます。
うまく行っていない場合でも
世間並みの値上げは覚悟しなければなりません。
ましてや大きな設備をしている場合は
逃げ場がなくなってしまいます。

したがって昨今のように経済が成長している場合は
一番安全な方法は自分の仕事場は自分で所有していることです。
そうは言っても上海のように
不動産の値段が中国一高いところでは
そう簡単に不動産を手に入れることはできません。
たとえば上海の新天地で
今私が住んでいるマンションを手に入れようとすると、
一平米で7万元くらいはとられます。
坪当りにすると350万円ですから、
東京の中心部に比べるとどうということはありませんが、
中国人の所得に比べれば
途方もない値段です。

ところが、成都とか広州に行くと、うんと安くなります。
成都のうちのビルの上層階というと
三愛のビルの上層階にあたりますが、
それが上海の十分の一で手に入るのです。
人の集まり方から見ても、建物の質から言っても
そう遜色はないのに、
少くともいまの時点で
10倍のひらきがあるのですから驚きです。

こうしたひらきが経済の発展と共に縮まるのかどうかは
私にもよくわかりません。
しかし、これだけ大きな差があるということは
商売をやる人にとっては負担が少くてすむことは確かだし、
不動産の値上がりがあるとすれば
まだチャンスが大きく残されているということにもなります。
少くともいまの値段で買って商売になるとすれば、
資産インフレが起れば安い買物をしたことになります。
そういう含みを残したところで
商売をやれるのならいいんじゃないかと
私が経営する人の身になって考えたのです。
ビジネスホテルは
これから中国進出を考えている人にとっては
考慮に値いするプロジェクトの一つではないでしょうか。


←前回記事へ 2006年2月13日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ