中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2176回
相続税を全廃した香港を見に行きましょう

香港を考察団の旅行先に組み入れた理由がもう一つあります。
私は「香港」という小説を書いて
直木賞を受賞した前歴もありますが、
最近は10年あまりも香港に住んでいました。
いまも住所は香港にありますが、
北京にも上海にも家があり、
大陸に住む時間も香港に負けず多くなりました。

どうしてかというと、
いままで香港経由で行われていた中継貿易が
ほとんど中国から直接に発送されるように変わったため、
香港の存在価値がうすれるのではないかと見たからです。
一時期、香港は不動産も大暴落をし、
香港経由の国際貿易もかなり減る方向に動きました。
ところが、香港が中国の傘下に入ると、
大陸からの観光が許可になって観光客がドッと押し寄せ、
ホテル代は以前の3倍にもはねあがってしまいました。
以前はマンダリンを喋っても相手にしなかったのが
いまではどこの店にも「人民元歓迎」の貼紙がしてあります。

その上、この2月11日から香港は
相続税の全廃に踏み切りました。
既に2、3年前から
中国大陸の大企業が香港で上場する事例がふえ、
昨年だけで1600億香港ドルもの資金を香港で集めています。
ことしはこの傾向に更に拍車がかかっており、
中国の主だった大企業は
次々と香港上場の予定を組んでいます。
それに呼応するかのように、
相続税を全廃するということは
香港政府が香港をアジアの金融の中心地にする意向で
手を打ったと考えてよいと思いますが、
この措置によってアジアのみならず
全世界の金持ちたちのお金が
香港に大移動することになります。
大陸の成金のお金はもちろんのこと、
台湾や韓国やそして、
恐らく日本もその例外ではあり得ないでしょう。

そういった目でもう一度、香港を見直すと、
自分のポケットの中のお金をどう動かすかについても
新しいアイデアが浮かんでくる筈です。
そういう頭の中の修正のためにも、
香港旅行に参加したいお方は
アジア交流センターにご連絡下さい。


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