中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2181回
香港で税金のかからない所得が三つあります

香港には税金をかけられないですむ収入が三つあります。
一つは銀行の利息、二つ目は配当金、
三つ目は一年以上たった不動産を処分して得た不動産所得。
香港でも銀行利息は不労所得だから
所得税をかけたことがありました。
すると、大量の預金がすぐお隣りにあるマカオの銀行に
一せいに移ってしまったので、
あわてて廃止した前歴があります。
ところが、定期預金が只に近い日本では
依然として20%の所得税を源泉控除されるので、
昔は定期の書き換えをしてもらった利息をもらって
デパートに行ってコートの一枚も買うことができたのが
いまは食パンを買って帰るくらいのことしか
できなくなってしまいました。
景気を刺激するために
政府が先頭に立って消費の奨励をしなければならない時代に、
逆に消費の芽を摘んでしまうのですから、
何もかもアベコベにやっているとしか思えませんね。

二つ目の配当金非課税は、
企業が既に所得税を払っているのだから、
配当金に更に課税するのは二重課税になるという
考え方にもとづいたものです。
税金をとる側にも、免税にする側にも
それぞれのリクツがありますが、
納税者は当然、免税論者の肩を持ちたくなります。

あとの一つは不動産に対する課税です。
もし日本のようなやり方なら、
香港にあんなにたくさんの金持ちが誕生しなかっただろうし、
したがって今日のような香港も
この世には存在していなかったでしょう。
いまの香港は何十人かの金持ちの個人財産をあわせただけで
日本の外貨準備高に匹敵すると言われていますが、
そういうことになったのも
不動産所得に対して
日本のような重税をかけなかったからです。

どちらが正しいかは議論のあるところですが、
金持ちになるチャンスが多いことでは
香港に軍配があがることは間違いありません。
ですから金持ちになりたい人は
香港へ移住するのが手っ取り早いと思いますが、
とりあえずは香港の仕組みがどうなっているかを研究することから
はじめてはどうでしょうか。


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