中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2182回
現地法人をつくるだけなら簡単ですが

そんなに香港が投資の基地として有利なら、
「人に遅れまじ」と思う人が一人や二人ではない筈です。
香港をうまく利用する方法は確かにあります。
でも気をつけないとならないこともたくさんあるのです。

銀行に口座をつくることとか、
香港に会社をつくることなら、
ツテがあればそんなに難しいことではありません。
日本の銀行や証券会社には断られる可能性がありますが、
現地の銀行や証券会社は商売になればいいのですから、
日本の税法なんかにかまってなんかいません。
また法人は一人1ドル(15円)の出資で
二人以上株主がおればできますから、
資本金2ドルの会社を
弁護士事務所に行くと売っています。
同じ名前だと登録できませんので、
予め許可になる英文と中文の会社名がついていて、
自分の氣に入った名前の会社を買って
株主を自分たちの名前に換え、住所を登記すれば、
それで会社として使用することができます。
会社そのものは大体、
十万円から十五万円くらいで手に入れることができます。

会社の運営に必要なお金は
個人が貸しつけることができます。
でも2ドルの会社では対外的な信用がありませんから、
商売にもよりますが、
世間的に見ておかしくない資本金まで
増資するのが常識でしょう。
会社さえあれば、禁じられた仕事以外の
どんな仕事にも従事することかできますが、
最低、会計顧問と法律顧問が必要です。
一年に一回、税務の申告をしなければなりませんし、
訴訟問題が起った時に相談する弁護士も必要だからです。
ペーパ・カンパニーをつくるのは簡単ですが、
この方の費用の方がバカになりません。

そのための先導役がおれば、
あとは費用だけの問題になりますが、
不案内な人が広告などを見て
日本語のわかる会計事務所にとびこむと、
日本人を食い物にする日本人が
大きく口をあけて待っていることがございます。
どこまで行っても、
日本人にもヤクザな奴がたくさんいるんです。
私のところまで
脅迫の書留便を送ってきた者もあるくらいですから。


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