中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2188回
インド株にはまだまだ手が出せません

インド株について新聞の広告があれだけ出ると、
中国株をやっている人なら、
実態はどうなっているのだと心配になります。
もしかしたら、インド株にもっとチャンスがあるかも知れない、
乗り遅れたらどうしようと
他人事でなくなってしまうからです。

実はインドに行く前に
インド株はどうなっているのだろうかと思って
本屋に行って目ぼしいインド株の本を何冊か買って帰って
パラパラめくってみました。
インド株はまだ外国人に開放されておらず、
個人では売買できませんが、
いくつか投資信託がインド株を扱っています。
ところが、さしてはっきりした資料がないと見えて、
解説書に出てくるデータもシドロモドロのものが多く、
これじゃ書いた本人もよくわかっていないんじゃないかと
危ぶみました。

ムンバイの証券取引所を訪問して、
なるほどこれじゃインド株のことを書いている人も
手に負えないわけだと諒解しました。
設立してからもう百四十何年もたつ取引所だそうですが、
植民地時代とはさして変わっておらず、
ちゃんとした資料も揃っていない有様です。
「上場企業は何社あるのですか」
ときいたら、
「5000社くらいです」
という返事がかえってきましたが、
「有力な業種は何ですか」
ときいたら、
先ずIT関係、それから銀行、不動産と言った順序で、
鉄や自動車はこちらがきくまで、
トップの頭の中にも入っていなかったようです。

「で、倒産した会社はどのくらいありますか」
ときいたら、はじめは
「一度上場したら追放されることはありません」
と抽象的な答でしたが、
「管理ポストにおかれている会社は何社くらいありますか」
と根掘葉掘きいたら、やっと
「2000社くらいです」
という返事がかえってきました。
上場会社が5000社で、うち2000社が管理ポストでは
とても安心してインド株なんか買えません。
「これじゃまだとてもインド株まで手が届きませんね」
といったら、
「これで中国株に専念できます。安心しました」
と胸を撫でおろした人が大部分でした。


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