中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2191回
政治家では次の時代に対応できませんね

海外をあちらこちらとびまわって、
日本に帰ってくると、
議員さんたちの足の引っ張り合いに毎日毎日つきあわされて
本当にうんざりしてしまいます。
外国とどうつきあうか、
グローバル化の中で日本はどんな役割をはたすべきかを考えるのが
政治家に課せられた重要な役割なのに、
反対党のミスを見つけると
鬼の首でもとったようにとびあがって喜び、
それが間違いだとわかると、
今度は首がつながった方がまたはねあがって喜ぶという光景を
皆さんはどうごらんになっているのでしょうか。

インドの旅先でガイドさんが冗談半分に、
「インドで一番悪いのは政治家で、次が警察、
そして、三番目がガイド」
と言っていたことは先にもふれましたが、
似た者同志でスクラム組んで、
経済成長する中国を挟み討ちにしようじゃないかと
公言している日本の政治家もおります。
それも冗談ならいいのですが、
いま日本にとって本当に重要なことは
アジアの時代がはじまろうとしている中で、
日本がどういう役割をはたすべきか、
またそうすることによって
日本の産業界と日本人の生活水準を維持するには
どんな政策を打ち出すのが正しいのか、
眞剣になって議論する時期です。
なのに、相も変わらず足の引っ張り合いでは淋しいと思いませんか。

かつて成長経済の中で、
私は老齢化と成熟化と国際化が
この次の日本の動いて行く方向だと指摘したことがありましたが、
三つとも実際に起って、
私たちは現在、とっぷりその中につかっています。
また「天は自ら助くる物を助く」ということからも
定年退職したお役人さんたちが食いつなぐことができるように
公社公団を濫造するだろうという予想は
見事にあたりましたが、
封建制が復活して政治が世襲制に戻るとは
さすがの私も見透せませんでした。
昔もきっと江戸城の中では
同じような足の引っ張り合いがくりかえされたに違いありません。
でももう21世紀になったのですから、
黒船に立ち向かうより次の時代にどう対応すべきか、
皆で考えることにしませんか。
政治家はそれぞれの選挙区に残しておいて。


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