第2212回
雲南産番茶の開発を計画しています

雲南省の保山・騰冲・昆明から
成都を経て帰ってきたところです。
保山は私が「宝の山」ブランドのQコーヒーの
選別工場をつくったところだし、
同じ保山市の管轄下にある騰冲県は温泉の町として有名で、
熱海という名前の温泉まであります。
騰冲県の書記さんにもご馳走になりましたが、
町全体をどう開発するかについて
ご本人も何回も日本の熱海まで勉強に出かけたときかされました。

騰冲は都市計画を実施した道路も建物も一新した
素晴らしい街並ですが、
ここは普洱茶の産地の一つでもあります。
わざわざ一泊して茶どころを一周したのは、
私がここで日本のお番茶を生産できないか、
現地視察をするためでした。
お茶は中国で三千年の歴史がありますが、
龍井のような緑茶や烏龍茶、鉄観音などの半発酵茶はあっても、
不思議なことは日本のお番茶にあたるお茶がありません。
緑茶や半発酵茶は漢方では
凉という身体の冷える食べ物に属し、
あまりたくさん飲むと胃の具合が悪くなったり、
夜、眠れなくなってしまいます。
その点、焙じ茶はいくら飲んでも胃にもたれないし、
寝られないということが起りません。
私の家では宴席の時は
普洱茶や大紅袍や鉄観音のような
中国の銘茶を出しますが
ふだんは番茶ですませます。
東京の家だけでなく、北京や上海や香港の家にも
わざわざ日本のお番茶を持っていって常備しています。

そういう関係で、日本のお茶屋さんから
中国進出の話を持ちかけられた時、
私はすぐに焙じ茶をつくるように提言しました。
焙じ茶なら私が目下手がけている水蒸気焙煎を応用すれば、
従来の火を使う焙煎よりもすぐれた結果を得られます。
酸化が遅れ、お茶の香りが長く保たれるからです。
しかもコーヒーの収穫が十月から四月までと
一年に一回しかないのに対して、
四月から十月まで年に三回も茶摘ができるので、
年間を通じて工場を稼動させることができるようになります。
はたしてそんなうまい話になるかどうかはまだわかりませんが、
わざわざ日本からお番茶を
中国まで持って行かないですむだけでも助かると
喜んでいるところです。


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