中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2237回
自動車株が息を吹き返します

中国の消費市場でマイホームづくりの次に
スケールの大きいのは何と言ってもマイカー・ブームです。
もしかしたら、
マイカー・ブームはマイホームづくりに優先します。
どうしてかというと、
若い人たちは家をつくるよりも先ず自動車を欲しがるからです。

昨年の自動車の生産台数は580万台と発表されましたが、
統計に行き違いがあって
実際はもう少し少なかったそうですが、
年に2割から3割はふえ続ける情勢下にあります。
したがってことしは恐らく700万台くらい、
あと2年か3年で
年に1000万台の大台にのせることは目にみえています。
値下げ競争で軒並み減少になったために、
もう2年近くも増産減益が続き、
自動車株を持っている人たちは手痛い思いをしてきました。

世界中の有力メーカーが
年間百万台ペースで伸びる中国市場を目指して
次々と進出しているので、
はたしてどのメーカーが
日本におけるトヨタとホンダの地位を築くかは
いまのところまだはっきりわかりません。
しかし、やがてそういう序列ができることに間違いはありませんし
またそうなる過程で投資家たちの懐中に
大きなひらきができることも必らず起ります。
どの人の予測が正しかったかは
実際にあとになってからでないとわかりませんが、
消費市場の成長と共に
自動車業界に次第に優劣の差が出てきつつあります。
但し、いま全国各地で強氣の姿勢を続けている自動車メーカーの
どれがはたして先陣を切るようになるかは
いまのところまだ不明です。

したがって今後も競争の熾烈なことに変わりはありませんが、
2年間にわたる淘汰と合理化によって、
ことしは自動車業界が息を吹きかえす番がまわってきています。
年明けから業界全体の売り上げが恢復に向かっており、
それが息切れしなければ自動車株が
活氣づくところまで来ているのです。
高値から半額以下に下がっている銘柄が多いだけに、
一旦、戻り歩調になったら値幅のとれる投資対象として
目を離さないで下さい。


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