中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2245回
成長する水処理会社に必要な条件とは?

水は経済の成長しつつある中国にとって大きな問題です。
私は一年のうち
かなりの日数を北京で暮らすようになりましたが、
北京の水はお世辞にも美味しいとは言えないし、
しかも黄河の水は年々、枯渇する方向に向かっていますから、
氾濫しがちな揚子江から黄河まで運河を切りひらいて、
その不足を補う計画が
しょっちゅう話題になっています。

生活水準が向上すると、
水の使用量もふえるし、
それに応じて汚水の処理も必要になります。
殊に工場の汚水は処理をしなければ人畜に影響しますから、
政府の監視もきびしく
垂れっぱなしにするわけには行かなくなっています。
また飲料水の供給も企業化がすすみ、
水を商売にする上場会社もいくつか目につくようになりました。
水商売だけあって、利益率も高く、
売上げに対して50以上が儲けという決算報告も珍しくはありません。

ならば水専門の会社に投資しようかという気になりますが、
水の供給や汚水の処理をする会社はまだはじまったばかりで、
ホテルや高速道路の経営をしている企業が
新しく割り込んできたとか、
建築工事をやっていた企業が転業をしたとか、
いずれも公共事業に近いので、
その土地の政府のかかわりの深い業者によって運営されています。
なかには地元の政府が大半の株を所有していたり、
政府の役人が天下りして経営権を握っていたりしているので、
お役所の延長線上の能率の悪さが目立ちます。

でも上水道も下水道も
これからの需要の増大を考えたら、
そうした十指にあまる企業の中から
時代の必要に対応できる
有力企業が現れると考えるよりほかありません。
はたしてどんな企業が潜伏しているのか、
それを探がしあてるのが
皆さんのこれからの仕事だということになります。
その条件として

(1)政府の役人によって運営されていないこと。
(2)年に30%から50%程度の成長が見込まれること。
(3)地域にしばられず、全国的な展開が可能なこと。

そうした条件を備えた企業を
皆さんどうぞ探がして見て下さい。


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