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第2244回
水処理・廃棄物リサイクルは次の成長産業

少し前から
高度成長に突入した中国で
廃棄物と汚水処理はどうする積りなのか、
私なりに関心を持つようになりました。
ゴミの処理は
お金儲けをする人の立場から見ると、
マイナス材料ですから、
どうしても後廻しになりがちです。
でも石油化学やセメントの会社や
発電所などは廃水をそのまま
川や海に垂れ流しにするわけにも行かず、
環境当局の指導も時とともにますますきびしくなります。
大都会の廃水下水も
そのまま放任しておくことができませんから、
行政機関がその対策をとらなければなりません。
と言って役人が
効率的な対応ができるわけがありませんので、
役所の付属的な会社をつくって
ゴミ処理のビジネスを任せることになります。
そうした会社はスタートの時点から
かなりのスケールになりますので、
B株やH株の中にも上場されて
投資家たちの目につく企業があるようになりました。

資料だけ見ていると、
専業で水処理やリサイクルをやっている会社も少く、
大半はいままでやっていた事業が思わしくなく、
なかにはST銘柄になって
危うく上場取り消しに会う寸前に
方向転換をしたものもあれば、
ホテルの経営をしていたのが
新規事業として水処理に走ったのが、
同じ水商売でもホテルよりは
水処理の方が採算がいいことに氣づいて
目下、換骨奪胎に夢中になっている会社もあります。
いずれも水処理を手がけてからまだ日も浅く、
水処理の採算はいいけれど、売り上げがまだ少く、
業績の伸びに至っては年に五%という
國全体の成長率よりまだ低いのもあります。
これでは投資家にとって
食指の動く対象にはなりません。
私もそう思って水処理会社のページは
ずっとまたいで渡っていましたが、
自分が水処理のテーマと
かかわりがあるようになってから、
会社訪問をしたり、
政府の担当者や汚水処理のエキスパートと
顔を合わせるようになった結果、
結論から言うと、
水処理・廃棄物処理は
次の成長株の一つだと考えるようになりました。
化けるにはまだ少し早いけれど、
この中から次の成長株が
出て来るような氣がしているところです。


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