中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2250回
男の服装にも興奮が必要になりました

いま私は中年男のファッションに転機が来ていると見ています。
私自身そのことのために手を貸そう
という気持ちも持っていますし、
現に自分自身、着る物に工夫をこらしている最中でもあります。
というのも、男の着るものは
フォーマルとカジュアルという区別はありますが、
タンスの中をあけるとすぐ目につくのは
勤めに行く時に着る物とゴルフに行く時の服装くらいしか
区別がないことです。

もちろん、高価な服は私もたくさん持っています。
エルメスのスーツもありますし、
フェレやランバンやロロ・ピアナといった
ブランドのジャケットもあります。
でもいずれも身分相応、年齢相当で、
スリリングな服装ではありません。
特に社会全体が老齢化に向ってひた走りに走っているとなると、
少しは老齢化に抵抗もしたくなります。
団塊の世代だって、既に定年の年齢に達しているのですから、
心ひそかにそう思っている人が多いのではないでしょうか。

たまたま最近は
「オジンのおしゃれ」の雑誌がよく売れるようになり、
新聞の広告でも大きなスペースを占領するようになっています。
私もミーハー的センスでは人後におちませんから、
早速、あるだけの雑誌を買って帰って
ベッドの上でひらいて見ていますが、
何しろはじめからおしまいまで寫眞ばっかりですから
重くて手がだるくなってしまいます。
もう一つ思わず失笑してしまうのは
どのページにもやたらに
SEXYという文句が印刷されていることです。
いずれセックス能力にも危険信号がともりはじめた編集者が
思いついたことでしょうが、
セクシイに見えるかどうかは寫眞を見て感ずるものであって、
言葉を羅列したらセクシイに見えるわけではありません。
イタリアおじんがいくら派手なカッコをしても、
セクシイに見えるわけもないのに、
少々安易すぎる編集ではないでしょうか。
でもそういう工夫をこらす年齢に
社会全体が達していることは事実です。
男の服装にもエキサイティングな要素が必要になっていることに
異議を申し立てているわけではもとよりありません。


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