中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2280回
中国株にことしは新しい変化が

あんまり邱飯店の料理の話ばかりしていると、
中国株の周辺事情を知りたがっている人たちは
苛々してしまうかも知れません。
邱家の家庭料理についてはまだまだいくつもご紹介して、
北京に行った人にはお寄りいただかなければなりませんが、
このへんで一ぺん幕合いに中国株の話に戻りたいと思います。

最近の話題は何と言っても中国銀行の上場でしょう。
何しろ一行だけで764億香港ドルも
香港で資本調達をしようというのですから、
あとに続く上場銀行も含めて、
香港の金持ちたちの金庫の中ももぬけの殻になってしまいます。
もっとも殻になっても、
お金は別の金庫の中に移っているだけのことですから、
お金が全部なくなってしまうわけではありません。
そのお金を高い利息を払って借りてくれる人があれば、
銀行はいまよりもっと収入がふえますから、
それを反映してことしの銀行株はうけに入るでしょう。
少ししか配当をしないで、株価ばかりが上を目指しますから、
名目財産はふくらみますが、
収入がふえるわけではありませんから、
そう天井知らずに株価が上昇し続けるとも思えません。
私たちが
銀行株と生保株の上値を追い続けることには躊躇を覚えます。

そんなことよりも、
私は中国の高度成長経済は第2段階に入った
という印象を受けています。
どういうことかというと、
中国を代表する一流株は成長が一応頭打ちになって、
需要は今後も常識的な伸びはあるけれども、
過去2、3年続いてきたような
利益の増大は望めなくなったのではないか
ということです。
従って、2、3の「高い株ほどよく上がる」という動きを
地で行くような超優良株を除いて
株価の動きは総じて鈍くなり、
株価は下がらないにしても
利廻りが悪くなるようになるのではないか
という懸念が出てきたということです。
しかし、それで中国株の妙味がうすくなった
ということではありません。
皆が目を向けているところに陽が当らなくなって、
別のところに陽が当るきざしが出てくるのではないか
というだけのことです。


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