中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2286回
環保の企業はまだこれから始まる所です

石炭の値上りで発電のコストがあがり、
減益減配で電力会社の株が軒並値下がりしてしまいました。
さて、どうしたものかと思案している人は多いと思います。
私は電力の株は全く処分していません。
むしろ値下がりした株の中でとばっちりを受けた企業はどこで、
業績が恢復して利回りのよくなりそうな電力会社はどこなのかに
関心を持っています。

というのも高度成長が一段落すれば、
高収益企業がいつまでも高収益を維持できるとは限らず、
鉄や石油や石炭の専業メーカーの
平均利回りも下落することが考えられます。
そうなった時に万年不足の電力を供給している企業が
再び投資家たちの注目を浴びることが考えられるからです。

しかし、私の目は電力会社の周辺をうろうろしているうちに
電力の上をとびこえて
一挙に都市ガスの供給をする企業にまで届いてしまいました。
何でもないようですが、
都市ガスの普及する動きが静かなブームを惹き起せば、
まだこれからはじまるところだけに発電設備の拡大より
スピードがつくかも知れません。
設備に莫大な資金がかかるわけでもないし、
需要がふえた分だけ収益も上昇するので、
一ドル以下でウロウロしている都市ガス企業の株価が
あまり遠くない将来に電力会社の株価と並ぶことが考えられます。
都市ガスの普及が後発であることは
儲けのタネがまだ残っているということですから、
投資家にとっては耳寄りな話です。

そう考えた途端に、廃棄物の処理、
汚水の処理及びリサイクルが一ぺんに頭の中に蘇ってきました。
たまたま
汚水処理の新技術を持ちこまれたこともきっかけになりましたが、
改めて中国の環境保全が
いよいよ抜きさしのできないところまで来ていることに
気がついたのです。
中国では汚水処理や廃棄物の処理を環境保全、
略して環保という二字で表現しています。
上場企業にも環保と銘打った会社がいくつもありますが、
政府が必要に迫られてつくった汚水処理工場や
他の商売から上水道のビジネスに手を出した
兼業企業も含まれています。
これらの企業は私の言う水処理、
廃棄物の処理をやっている成長産業ではありません。


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