中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2300回
円高を期待すると当てがはずれます

あれだけ外人投資がふえれば、
日本円は高くなった筈です。
それなのに外国からの資金流入が続いていた間、
円は高くなるどころか、
1ドル115円から120円の間をウロウロしていました。
ということは、
円買いに円売りをぶっつけるだけの資金が
日本から海外へ流れ出たことを意味します。

そういう動きが表に出てきてはいません。
つまり日本からの資金の海外移動は
一般投資家の間には見られませんので、
銀行やプロの機関投資家がやっていることになります。
日本国内で資金の貸付けや運用をやっても
これと言った対象がありませんので、
銀行などは同じ資金の運用をするとしても、
海外でやる道を選ぶことが考えられます。
多分、日本の銀行はこの機会を利用して、
大量の資金を海外に動かして、
海外で運用するようになったのではないでしょうか。

アメリカの機関投資家と日本のプロの金融業者と、
どちらが利口かは結果を見ないと何とも言えません。
でも日本の株高が息切れのするところまで来て、
外人投資が売りにまわる時が来たら、
大量の資金が円からドルに戻ることが起ります。
その時に、円を買ってくれる人がいなければ、
円は一段と安くなって、
折角、日本株で儲けても円安で儲けを相殺されてしまいます。
かつて円高が続いた日本経済の成長期と違って、
日本株の外人買いは往来ビンタで儲かるということは
もはやないのではないでしょうか。

もしそうだとしたら、
アメリカの空前の貿易収支の赤字にも拘らず、
ドルの暴落はそう簡単には来ないことになります。
日本株が下がると、
それにつれて日本円も下がることがあり得るのです。
そう考えたので、私自身、
日本円で中国株を買う場合、
もっと円高になってからと
思うと期待はずれになるのではないかと
自分に言いきかせるようになりました。
日本株を売った資金がドルに換わって
大挙して香港市場に流れる可能性が出てきたからです。


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