中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2346回
中国の不動産ブームは一休みに入ります

不動産はどこの国でも、
財産の中で大きなパーセンテージを占めています。
特に中国人のようにお金に敏感な人たちは
不動産にほかの国の人たちには考えられないほどの
強い反応を示します。

財産と言えば、土地や建物のことがすぐ頭にピンときます。
国の高い地位にいる人たちもその一族も皆、同じ反応を示します。
したがって権力の座にいる人は
その権力を利用して土地を払い下げたり、
うまい名目を使って自分たちの自由になる機関に移します。
そのために必要な資金は国営の銀行に電話をかけて融資させます。
なかには1回か2回、利息を払ったきりで、
あとはそのまま不良債権として放置してあるものもあります。
でもご本人の権力に異変がない限り、
担保にとった土地を処分する
勇気のある銀行のトップは先ずおりません。

5年か、7年たつと、土地は3倍にも5倍にも値上がりしています。
なかには10倍というのも珍しくありません。
その時になって、関係者が土地の買手を見つけてきます。
企業の経営者が変わって、
新しい人たちが過去の借金の清算を申し出ることもあります。
間に介在した高級役人の一族は土地と全く関係がなくなりますが、
値上がり益で甘い汁を吸います。
最終的にお金が残るかどうかは人によって違いますが、
もともと理財にたけている人たちではありませんから、
散財のできる立場におかれても、
お金の残る立場にいないことでは
共通していると言ってよいでしょう。

それらの人々も含めて、
不動産で一山という人たちが中国には山ほどいます。
そういう人たちとつば競りあって
競争に勝っているのが香港から
大陸に攻めあがってきた香港の不動産会社です。
私が香港名の下に
「中国」とついた不動産会社の株をすすめたのは、
ちょうどこれらの不動産が長い悪戦苦闘の末に
一息つけるところまで来たからでした。
しかし、それも束の間、
また猛烈な競争に追い込まれるところにさしかかっています。


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2006年8月12日(土)

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