中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2353回
利益の倍々ゲームは何を意味するのか

日本の成長経済が発展して行くプロセスで
いままでは人目につかなかったが、
これから大企業になって行くだろう企業を次々と発掘して
成長株買いを奨めたことがありました。
石油化学の発展を見越して
石油プラントの設計施工をはじめた千代田化工建設、
自動車ブームが日本の道路を拡げるなら
トンネルや橋をかける建設業者がいいだろうと考えて奨めた
佐藤工業や宮地鉄工、
皆が豊かになったら魚肉ソーセージから卒業して
本物の肉に嗜好が移るだろうと睨んで取りあげた
徳島ハム(いまの日本ハム)
更には既製服の全盛時代を見越して惚れ込んだオンワード樫山。
それらの無名株はほとんどが投資家たちの共感を得て、
日本を代表するトップ銘柄にまで出世をしました。
それと似たようなことが
いま中国でも起りつつあると私は見ています。

オートバックス・セブンの中国版にあたる新焦点、
栗田工業のあとを追うゴミや汚水処理で先鞭を切る東江環保、
高速道路建設の黒子の役割をするニチレキに続く上海棟華などは、
言われて見れば、確かに将来、
産業界で重要な位置を占める企業ですが、
成長産業はもとより指を折って数える範囲には
とどまるものではありません。
石油関係一つとりあげても、またバイオ関係に目を向けても、
数え切れないくらいの企業が
これから頭角を現わすところに来ています。

そうした目で薬品や薬剤の業界を探がしているうちに
ぶっつかったのが常茂化工です。
最初にびっくりしたのが売上げが50%ふえると
利益が倍になるという数字が
2年続いて3年目に入っていることですが、
常州まで上海から車をとばして先ず目についた
本社工場の立派で壮大なこと、
更に工場を案内されて主要製品である酒石酸やリン酸が
食品や薬品の生産に欠くことのできないものであり、
世界中の一流メーカーがその取引先になっている
という説明を受けたことが決定的でした。
もし2006年、7年とあと2年、
このまま利益の倍々ゲームが続いたら、
株価はどうなるのだろうかと空想妄想してしまったのです。


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2006年8月19日(土)

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