中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2352回
これが中国を代表する成長銘柄の一つです

モスクワから帰ってきて、
昨日は上海で久しぶりに上海邱友会をひらきました。
恒例により、午前中は朝早くガーデンホテルをバス2台で出発し、
約2時間、高速道路を走って、
常州市にある常茂化工という
バイオ化学の工場見学をしてまいりました。

まだGEMに上場して4年しかたたない
資本金の小さな食品添加剤と医薬素材の生産会社ですが、
先ず中国企業情報の575ページにある
過去の売上高と純利益の数字を見て下さい。
業績の本格的な上昇は2003年度からはじまっていますから
業績がよくなりはじめてからまだ3年しかたっていません。
でも2004年度も2005年度も業績は50%ずつ伸びていますが、
利益は倍々とふえています。
毎年、利益の倍々ゲームが続いているのです。
これは売上げ利益率が高く、
売上がふえると利益がその倍ふえる構造になっているからです。

まだ会社見学に行かなかった時は
その内容がよく理解できなかったのですが、
皆を案内する前に一走りしてきた私は
その充実した内容にびっくりしました。
作業服を着た董事長さんが気楽に案内してくれたのですが、
製造している食品添加剤や薬剤は
いずれも世界の一流会社が必要としているものばかりで、
日本は味の素や東レ、
アメリカではナビスコが常連の取引先で、
何と売上げの80%が輸出、残りの20%が国内消費、
その安定度はいまの中国で
超一流に属していると言ってよいでしょう。

その上、同じブロック内に取引先と共同出資で
次々と生産工場を建設していますから、
1工場完成する度に売上げがふえる過程におかれています。
輸出価格もコストで競争しているわけではありません。
たとえば日本で10年もたった工場が拡張しようとすると、
あれこれ莫大な環境保全設備を要求されます。
それを代わりに中国で生産すると、
10年前と同じ規制で間に合うので、
それだけで商売になっているのです。
工場を見学した皆さんも
どうしてこういう商売が成り立つのか頭をかしげましたが、
説明を受けて納得できたのではないかと思います。


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2006年8月18日(金)

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