中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2368回
あなたの乗っている車は軽自動車ですか

癌に効くという漢方薬をつくった王振国さんの薬草園のある
長白山脈の北側にある通化市に行ってきたことは
前にも申し上げました。
長白山脈と言えば、
いま横紙破りで世間の関心を集めている北朝鮮と
中国を北と南に分かつ山脈ですが、
いくら高い山でも、
人間がいったり来たりするのを遮ることはできません。
したがって北側にだって
朝鮮系の人たちはたくさん住んでいる筈だし、
誰がどこの人と分けることは難しいと思います。
コミュニケーションさえできれば、
そもそもお前は何びとだと区別する必要はないのです。

長春で飛行機を下りて、
高速道路で通化まで行くのに3時間半もかかりました。
高速道路を走る車の窓から外を見ると、
麦やとうもろこしの畑がずっと続いていて、
見渡す限り手入れがよく行き届いているのがわかります。
冬はマイナス20度にもなる痩せた土地でも
これだけ隅々まで開発されているのですから
中国人が如何に勤勉かわかります。
ロシアの穀倉地帯など比較になりません。

車を走らせながら、
こんな北の果てまで日本の関東軍は人の土地を欲しがったのだから、
一昔前の人たちは何を考えていたのだろうかと悲しくなります。
いまは他人の領土なんか欲しがらなくとも、
それらの国から原料を仕入れて
付加価値の高い工業製品をつくれば、
メシも食えるし、人より金持ちにもなれます。
でもそんなことを思いつかなかった頃は、どこの国の人も
他人の土地と資源を欲しがって戦争を仕かけたのです。
仕かけた方は忘れてしまったかもしれませんが、
仕かけられた方はいつまでも覚えているし、根に持っています。
そのへんの調整をどうしたらいいかと言うことになると、
日本人に大人(たいじん)の風格があったら、
やっぱり譲歩すべきでしょうね。

私はロールス・ロイスという車に乗っていますが、
小さな車やトラックが私の車の前に割り込んでも、
どうぞどうぞと言って道を譲ります。
もし私がスズキとか、
スバルの運転をしていたらそうは行かないかも知れません。
日本の国はそのどちらなのでしょうか。


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2006年9月3日(日)

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