中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2386回
私も500人分の奨学金を寄付しました

中国では都市労働者に比べて
農家の収入が少ないのが当り前ですが、
寧夏自治区の農家は沿海地区の農家に比べると、
更に一段と貧乏です。
ですから農民が他の省まで
農作業のために出稼ぎに行くのが珍しくありません。

そういう農家の子弟を集めて、
只で自動車の修理を教えている学校も見学に行きました。
学費だけでなく、食費や宿泊費も只なので、
ここの生徒たちの田舎まで学校の先生が訪ねて行くと、
親たちが出てきて神様に対するように
両手を合わせて拝むそうです。

「で、学費は政府が出しているのですか」
と前回行った時にきいたら、
「いいえ、社会教育に熱心な方の援助を仰いでいます」
「いま奨学金を払ってくれている人は
 来年も払ってくれるのですか?」
「それがこの1年だけなんです」
「じゃ、私が代わりに払ってあげましょうか」
と私が口を滑らせたら、
今度は私が校長先生から
両手を合わせて拝まれてしまいました。

一度口に出したことはその場で撤回もできませんので、
とうとう私が500人分の奨学資金を出す破目になってしまいました。
500人分と言っても、
私の方がメシを食えなくなるほどのお金ではありませんので、
その人たちと日本へ見習生として送り出すこともできれば、
中国に進出している日本の自動車メーカーの
現地工場に送り込むこともできます。

「日本企業で働いてもらうなら、
 日本語のできる人が欲しいですね」
と同行した日本人は異口同音におっしゃいます。
実はこれも困難なことではありません。
こういう時代が必らず来ると考えて、
私は25年も前に台湾に日本語学校をつくり、
5年前から上海に4つの分校をつくり、
200人以上もの日本語の先生が教鞭をとっています。
その中から銀川まで行ってくれる人をつのって、
銀川の学校で日本語教室をひらけば、
片言の日本語くらいはすぐ喋れる若者たちを
養成することができるからです。
でも教育からはじめるというと、
軌道に乗るまでに3年や5年はかかってしまうでしょうね。
気の長い話ですが、
誰か私の相棒になってくれる人はおりませんか。


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2006年9月21日(木)

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