中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2393回
中堅幹部が育たないことが最大の弱点

中国経済の発展に対して
疑問符を投げかけている人が結構たくさんいます。
なかには期限つきで中国政府の崩壊を予言している人さえいます。
いずれも現場をよく見ないで、
無責任なことを言っている人たちです。

私に同伴して、中国、更にインド、ロシアにまで足を伸ばして、
現地でどんなことが起っているかをご自分で見ている人は、
決してそうは思わないでしょう。
でもピョートル大帝の頃に建てたのではないかと見られる
既に減価償却の終わってしまった家並みに住んでいる人よりは、
オリンピックや万国博覧会を目睫に控えて
次々と高層建築を建てている北京や上海の方が
解決すべき問題をたくさん抱えていることも事実です。
そういう問題が起ればそういう問題を解決する必要があるし、
また何とか片をついて行くこともできます。

このまま成長経済が続けば、
輸出だけで成長を維持して行けないことは、
中国の政府だけでなく
輸出に従事している民間企業家たちもよく知っているし、
従って次は本格的な消費経済に入ることは
どちらの意見も一致しています。
もちろん、企業によっては輸出が主力、
内需が主力という違いはあります。
でも都合によって主力をどちらに向けるか
という方向転換も可能ですから、
企業にとって一番大切なことは健全な対処ができるかどうかです。
その場合、中国の企業にとって最大の欠点は
中堅幹部がうまく育っていないことです。
中国では会社のために献身的な努力をする人よりも、
自分のことばかり考える人が多すぎます。
まだ仕事もロクに覚えないうちから、
もう独立して自分が主人になることばかり考えているのですから、
社内に技術の蓄積ができないし、
人的資源が鉱脈を形成することも期待できません。
これが中国経済の最大の弱点だと私は見ています。
しかし、だからと言って
永遠にこの問題が解決できないということではありません。
この問題をうまく解決できた企業が
発展する中国経済の先導役をやるようになるだろうということです。


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2006年9月28日(木)

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