中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2392回
中国人の脱サラ熱にはほとほとあきれます

中国人のサラリーマンに共通した理想は
1日も早くサラリーマンを卒業して自分が社長になることです。

私の北京や上海の会社で働いている人たちも、
まだ仕事もよく覚えないうちから、さっさと会社をやめて、
何人か友達と共同出資して仕事をはじめます。
「まだ早い早い」といくら私がとめても、
一ぺん思い立ったことを途中で断念することは先ずありません。

もちろん、すぐに駄目になってしまいます。
はじめからわかっていることですから、別に驚きませんが、
本人はしょげているかと思いきや、案外、平気で、
また別のところに勤めなおして次の機会を狙っています。
「この前は駄目だったけれど、
 まだまだチャンスはいくらでもあるさ」
と本気で思っているのです。

こういう徒輩をやとって、
こちらが本気になって一人前にしあげてやろうと考えても
なかなか思う通りにはなりません。
よく
「日本の進出企業は
 じぶんたち日本人だけでトップの座を独占してしまって、
 現地人を経営者の仲間に入れない。
 だから、日本企業で働く場合は仕事を覚えたら、
 さっさと辞めて自分で独立することです」
という声をききますが
問題は仕事もちゃんと覚えないうちから
もう辞める人が多いことです。
日本人が現地人を仲間に入れたがらないことも事実ですが、
中国人の若い人たちの腰の落着かないことと言ったら
あきれるよりほかありません。

ということはどこの会社も
現地スタッフの欠乏に悩んでいるということです。
私の中国大陸での仕事も、もう10年を越えています。
スタートの時から、私は
「現地の人を訓練して将来の幹部に育てるように」
と総経理をやっている人にくりかえし言い含めてきましたが、
いまだに見るべき成果があがっていません。
これが中国で事業をやって行く上での最大の弱点です。
仕方がないので、
私は中国語が堪能で中国に骨を埋めてもいいと言う
日本人の若い人を使っていますが、
誰かほかにいい智恵ありませんか。
あったらぜひご教示下さい。


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2006年9月27日(水)

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