中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2404回
都市ガスの株にせっかちは
向いていません

そのあと、鄭州ガスや新海能源にもふれましたが、
これらは成長株というよりは出遅れ株です。
そのヒントになったのは、
香港中華ガスの董事長をやっている李兆基さんが
自社株を買い増したというニュースに接したからです。
李兆基さんは李嘉誠さんと並ぶ
香港を代表する先の見える財閥の総帥です。
その李兆基さんが
なぜガスの会社に力を入れるようになったのか調べて見ると、
大陸でガスの需要がふえはじめたからです。
香港ガスは既に大陸で30都市とガス関連事業で手を結び
開発に着手しています。
当然、ガス事業に将来があることを実感した上での行動です。

でも香港ガスは既に1株が18ドルもしています。
ならば、大陸のガスはどうなっているのか調べて見ると、
7ドル台の新奥燃気から無配の百江燃気(パンバガス)まで
何社かあります。
百江燃気は無配でも3ドル台ですから、
それに比べると鄭州ガスは0.7ドル台でちゃんと配当をしています。
新海能源は天然ガスの輸入をして広東省に貯蔵庫を持ち、
大へんな勢いで供給量をふやしています。
業績も配当もほとんど鄭州ガスと肩を並べていますが、
株価は鄭州ガスより更に10セント安です。

これをどう見るかということになると、
生活水準が上がるにつれて
年々業績の上がって行く立場にありますから、
電力の普及に遅れて電力のあとを追うことが考えられます。
突然、急成長をするわけではありませんが、
ちゃんと配当があれば少々時間がかかってもガマンができます。
第二の高速道路株と思って下さいと申し上げたのは
時間が立たないと成果が現われないからです。
新海能源は天然ガスの輸入業者で
都市ガスの施設業者ではありませんが、
都市ガスと同じ立場におかれており、
上半期は香港ガスもやや減益でしたが、
新海能源も同じような増収減益でした。
これは液化ガスの輸入価格が期内に42.5%も値上がりしたからです。
でも長い目で見れば、
これからも息の長い成長をする業種に属していると見ています。
但し、ガス業界は毎年少しずつ、
確実に成長することが期待できますが、
せっかちの投資に向いているとは言えません。
そのことを承知の方にしか
にっこり笑ってはくれない株だと思います。


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2006年10月9日(月)

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