中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2405回
薬品は成長経済のチャンピオンです

気の早い人は、「では次は何だ」と催促されるに違いありません。
私にはせっかちな面と
「啼かずば啼くまで待とう」といった気の長い面があります。
2年も3年も待つようなこともやりますが、
明日にも結論を見ないと気がすまないような
早とちりのところもあるのです。

ですから、これからの中国経済の中で
どんな業種の、どんな企業が成長株のリストにあがるのか、
と考えはじめると、どこまでもそのあとを追って行きます。
自分でこれならと業種や業績を見て大凡その見当をつけても、
実際に会社の現場を見て、
トップに立つ人の抱負と人柄を理解できないと確信が持てません。
おかげで皆さん以上に中国じゅうを駈けまわり、
皆さんよりいそがしい思いをしています。

もちろん、私の頭の中には
この次の成長株はこういう分野にあるだろうという
イメージが先にあります。
そのイメージにあったものが先ず頭の中に入ってきます。
その物差しになるのは私の過去の経験や知識ですが、
ご存知のように、経験も知識も過去に得られたものですから、
そのまま未来にあてはまるとは限りません。
ただこれからの中国で起ろうとしていることは、
20年前から30年前に日本で起ったこととかなり類似していますから、
日本でその経験を他の誰にもましていち早く、
且つ敏感に感じとった私の頭の中の、
受信機はかなり性能のよい働きをしてくれるのです。

たとえば、私はお金の動きにも敏感ですが、
年をとるとか、健康をそこなうとかいうことにも敏感です。
ですから年をとることに備える本もたくさん書きましたし、
そのうちに健康が商売の対象になるだろうと考えて
40年も前に「健康産業」という言葉も使っています。
しかし、「健康産業」の前に先ず病気をなおす薬があります。
人は少しお金に余裕があるようになると、
貧乏だった時よりも健康に気をつけるようになります。
そのためにお金も使います。
健康食品よりずっと前のところに
薬品が成長産業の一つとして登場してくるのです。


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2006年10月10日(火)

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