中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2408回
中国の広告業はすべて戸外広告からスタート

私は少し前に成長業種の中に
メディアを加えたことがありました。
どうしてかというと、日本の場合もそうでしたが、
産業の発展過程でメディアは後発業種に属し、
宣伝広告の必要を感じた最終消費財メーカーや流通業者が
お金を出すようになってから、
やっと陽の目を見るようになるものだからです。

現に、私が日本で成長株をとりあげた昭和30年代の半ば頃は、
電通も博報堂も
まだその役割をさして認められていませんでしたし、
「何だ、広告屋か」
くらいの扱いしかされていませんでした。
それが今日では業績から見ても、株価から見ても
一流株の部類に属しています。
またテレビ局からはじまって、
インターネットで稼いでいる広告業者に至るまで、
流通業の主流はコースが変わってしまった観さえあります。

いまの中国はまだそれほどまで花咲いておりませんが、
消費経済に力が入るようになれば、
広告宣伝が表舞台に踊り出してくることは当然予想されます。
そこで私が
「メディアも成長株の名前に入ります」と指摘したところ、
人材募集の雑誌を発行している会社の株から
民間放送の株で上場しているところまで
息を吹き返したような買われ方をしたことがありました。
日本のテレビ会社やリクルートの高収益ぶりを見たら、
すぐにもとびつきたくなってもおかしくはありませんが、
宣伝広告がどんな発展の過程を辿るかは国によって違います。

というのも、中国ではテレビ局はほとんどが国営だし、
上場企業も国営から横滑りしたものが大半で、
広告宣伝の生む付加価値に対する認識に
欠けているところが多いからです。
いま中国に行って一番目につくのは戸外広告だけです。
飛行場を出て町に出るまで、
これでもかこれでもかと続いているのが広告の立看板です。
それを見てもわかるように
中国の広告業は戸外広告からはじまっているのです。
そう考えて戸外広告でいま一番成長している会社はどこか
と探がしたところ、
南京からスタートした
大賀戸外伝媒という会社にぶっつかりました。
早速、南京の本社まで
創業者の賀董事長さんを訪ねて行きました。


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2006年10月13日(金)

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