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第2414
スター並みの人気で総統に当選した陳水扁

中国大陸では経済が高度成長に突入すると共に
政治体制にもかなり前進があったのに、
一番うだつがあがらないのが台湾の陳総統です。
2000年、陳水扁総統に変わってから
既に6年の歳月がたちましたが、
経済的には大した進歩のあとが見られず、
2年前の2期目の選挙の時も
民進党の人気はかなり後退していましたが、
選挙の真最中に陳水扁の腹にピストルの弾丸が打ち込まれ、
それが同情を集めて逆転当選したので、
自作自演だと疑われて今日に至っています。

私は前総統の李登輝さんと同窓
(正確には彼の方が一級下で、
当時は台湾の人が少なかったので、お互いによく知っています)
なので、陳水扁はうちの息子たちの年代にあたりますが、
台北市長をやっていた時からスター並みの人気者でした。
総統選挙の前に私のところへ挨拶に来たので
「タイミングとして少し早すぎますから、
 2000年の選挙には出ないほうがいいですよ。
 2004年に出れば、
 大陸とうまく交渉のできるチャンスがあって
 歴史に残るような仕事ができます」
と私はアドバイスをしましたが、
「党のこともあるし、
 私一人だけで決められることでもありませんし」
とご本人は曖昧な返事をしました。
いつになったら世の中にどんなことが起るかについては
そんなに神経質な様子は見られませんでした。

話が終わって帰る間際に、エレベーターまで送って行くと、
うしろからうちの会社の女性のスタッフたちが追っかけてきて
「ご一緒に記念写真とらせてもらえませんか」
と言ったのには私の方がびっくりしました。
政治家なのに映画スター並みの人気なのです。
私のオフィスには
本物の歌手や映画スターも来たことがありますが、
女の子たちがそんなに騒いだことはありません。
本来なら2000年に当選する見込みはうすかったのですが、
国民党の候補が二つに割れたので、
スター並みの人気が陳水扁を総統の座に押しあげたのです。
総統の座についたご本人から東京にいる私のところに
すぐに会いたいからと連絡がありました。


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2006年10月19日(木)

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