中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2419回
台湾でいよいよ三通が実現する時期が

台湾じゅうで陳水扁総統罷免の100万人運動が起っても、
陳水扁は総統任期の2年後まで頑張ると
罷める気配は更々見せていません。
野党が過半数を占めていますが、
与党の民進党が割れない限り、
罷免に必要な3分の2の票数に達しないので、
第1回の罷免案は不成立に終わってしまいました。
ついこの10月13日に再度提出された第2回目の罷免案も
やはり3分の2の賛成票に達しなかったので、
倒扁と挺扁の両陣営が対峙したまま、
罷免は不成立に終わっています。

あとは立法院による内閣不信任案が提出されれば、
行政院長は罷免され、
本来なら総統が立法院、
つまり議会を解散して選挙をすることになりますが、
いま選挙をしたのでは与党の民進党が
全滅に近い敗北におちいることは目に見えているので、
恐らく議会解散はやらないだろうと見られています。
あとは民進党の内閣でなくて、
比較的中立的な立場にある国民党所属の王金平立法院長に
過渡的な内閣を組織してもらう案が浮上していますが、
恐らく遅々として解決に至らず、
当分、混乱した状態が続くことになります。

こういう混乱におちいることは
私の予想の中には入っていませんでしたが、
いずれにせよ、次の総統選挙に
民進党の出る幕はなくなってしまいましたので、
長い間、宙ぶらりんになっていた
中国大陸と台湾の三通政策は
急速に実現に向うことが考えられます。
先ず大陸の人たちの台湾観光が自由化されるでしょうし、
ついで上海や北京やつい対岸にある厦門から
台北への直行便が実現するでしょう。
そうなれば香港がそうであったように、
台湾の不況が一挙に吹っとんで、
ホテルやレストランも賑やかになるし、
長い間、低迷していた不動産市況も回復に向って、
次はどうやって台湾の主張を大陸に認めてもらうか
という交渉がはじまることになります。
私が34年前に予想したことが
漸く現実となって一般に公認される時期が近づいたのです。
感情を抜きにして、これが現実に起ることだったのです。


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2006年10月24日(火)

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