中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2420回
大アジアの幕開けは火薬の匂いのない中で

これで台湾独立への可能性は完全に幕を下ろしてしまいました。
独立志向の強い民進党のリーダーをつとめる陳水扁総統が
欲に目のくらんだ奥さんを持ったばかりに
汚職の泥沼の中に身を沈めたことで
民進党の凋落がはじまろうとは
さすがの私も読みきれませんでしたが、
中国大陸の経済発展によって
中国が体制的にも昔とは別の国になり、
経済の方が政治より一歩も二歩も先に進んで、
中国、香港、台湾が既に1つの経済圏に統一されてしまったことが、
次の交渉をやりやすくしています。

毛沢東治下の大陸なら、
「二つの中国」になる可能性はまだ残っていました。
蒋介石が大陸反攻の妄想を抱いて
「二つの中国」を拒否した時点で
台湾の独立は夢想主義者たちの夢に終ると私は判断しました。
私が国連に人民投票の請願書を出したのは私が24才の時でしたが
私が独立の夢を断念したのが47才の時でしたから、
あれから既に35年の歳月がたってしまいました。

共産主義に同調できない人たちが
この世に立錐の余地もないのはリクツに合わないことだと考えて、
台湾の経済の発展に微力を盡すべく生まれ故郷の土を踏んでから
既に34年の歳月がたちました。
また18年前に大陸に足を踏み入れたのは、
中国と台湾の富の水準があまりにかけ離れすぎると
両者の交渉がうまく行かない、
微力でも中国大陸の富の水準の向上に
力を貸すべきだと思ったからでした。

そういう時代が必らず来ることは確信していましたが、
あるいは私の死んだあとのことかとも思っていました。
それが、どうやら私の目の明るいうちに、
実現しそうな場面が近づいてきたようです。
私には政治の野心はないし、
もう私たちのジェネレーションの時代も
完全にすぎてしまいましたので、
まるで顧客の立場で物を言っているようですが、
中国と台湾の交渉の舞台は
いよいよ幕をひらくところまできたようです。
幸なことに火薬やミサイルの匂いがしてくる舞台ではありません。
日本と中国との交渉も似たような条件の下で
幕がひらかれるように望むのは私1人だけではないと思います。


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2006年10月25日(水)

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