中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2441回
成長製薬会社のボスはセールスマン上がり

投資考察団を引率して東瑞製薬を訪問したあと、
今度は私と北京の秘書と二人で、
山東羅欣の製薬会社を見学するために
山東省の臨沂市までとびました。
リンイーとは沂河という川に臨んだ市という意味で、
この一帯だけで1000万も人口がいるそうです。
孔子の総本山である曲阜市を
車で2時間あまり東南に下ったところにありますが、
飛行機の便が悪く、
上海からは夜の8時にとび、
帰りはその飛行機がとんぼ返えりで上海に戻る
1日1便だけです。
ですから、夜遅く臨沂に着き、
次の夜遅く、臨沂から上海に戻ってきました。

でも行っただけの甲斐がありました。
というのは製薬業界を調べていると、
山椒のように小粒でピリッと辛い会社が
1社だけ見つかりました。
会社が小さくて、しかも山東省の田舎にありますから、
はじめは大したことはないと思っていましたが、
小さい割には製造している薬の種類も多く、
しかも全国27省と4つの直轄市にわたって
支店を持っているのです。
中国は広大なところですから、
大きな会社でも
全国を網羅した販売網を持っているとは限りません。
それが僅か2億7千万元の売上げしかない会社が
全国隅々まで営業所を持っているのですから、
どこか違うところがあるな、とすぐに氣がつきました。
もっと大きな製薬会社でも
政府の薬価政策にヒーヒー言わされているのに、
この会社はかなり鼻息の荒い増収増益路線を走っています。

なぜそうなのかは、遠くにいてわかりませんでしたが、
董事長さんにあってすぐに納得しました。
この会社の創業者は
もともと薬のセールスマンからスタートした人で、
18年前に人民元2万元を資本に創業した会社で、
今回上場した会社と昔の会社とあわせて
1年に10億元の売上げをするようになった
立志伝中の人だったのです。
どんな商売でもそうですが、
薬屋は販売力の強いことが最大の強みです。
増収増益路線で、最先端を切るのはこの会社だと
一目見ただけで合点しました。


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2006年11月15日(水)

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