中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2440
利回り採算と株価の伸びの二つに賭ける

1ヶ月遅れて上海に行った時に、私は時間をつくって、
私の日本語学校の校長と私の北京の秘書を連れて
蘇州の東瑞製薬の工場を訪問しました。
蘇州にはシンガポール政府と共同でつくった工業団地と、
蘇州市独自の工業団地と二つあって、
道に迷って到着するまでに3時間もかかってしまいました。

しかし、実際に行って見ると、とても立派な建物で、
製薬会社だから当然でしょうが、
隅々まできれいに掃除が行き届いていて、
日本の製薬工場と比べても決して見劣りはしません。
どうして日本の製薬会社に比べて自分たちが及ばないか、
その理由もちゃんと承知していて、
中国人にありがちな夜郎自大的な態度は全く見せません。
製造工場は蘇州にあるけれども、
もともとは世界中と接触する機会の多い香港の
それもタックスヘブンであるケイマンに本社をおいた
国際的な企業によって運営されているからか、
とも思ったほどです。

更に1ヶ月遅れて、
今度は投資考察団と邱友会の人たちを連れて
大ぜいで工場見学に出かけました。
向うも日本人の投資家が
こんなにたくさん会社を訪問するのは
はじめてだったからでしょうが、
本社から董事長さんがわざわざ出向いて迎えてくれましたし、
蘇州工業団地の責任者のお役人さんまで
わざわざ歓迎の辞を述べに来てくれました。
私たちはバス2台で出かけたのですが、
要路要路に交通巡査が出て
赤信号を無視して私たちを優先的に通してくれたのに
びっくりした人もおりました。

だから東瑞製薬の肩を持つわけではありませんが、
製薬会社はこれから中国で成長する業種の一つです。
株価が1ドル以下で、5セントの配当があれば、
利回り採算にも充分乗ります。
それがうまく荒波を乗りこえて
麗珠医薬や一致薬業と同じ株価水準まで辿りつくことができたら、
何も中国銀行や工商銀行の株と
スケールの大きさを比べて見ることはないんじゃないでしょうか。
成長株買いは柱の太さを比べあうものではなくて、
1株当たりの収益が
どんなスピードでふえるかを競うものなんです。


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2006年11月14日(火)

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