中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2494回
漢方は今後も日本の基準に合いません

日本では食品に含まれている水銀の量に対する規制があります。
それに対して化粧品の場合は一切、認められていません。
そのために日本の化粧品は化学製品だけでつくられていて、
自然とはほど遠い存在です。
私の友人でインターフェロンの製造をしている人がいますが、
もっと純度をあげたらもっと効くだろうと考えて更に精製したら、
逆に効力を失ってしまいました。
私たちの食べ物だって
色んなものが混り合っているから栄養になっているのであって、
ビタミン剤とか、
コレステロールを下げるクスリばかり飲んでいたら、
おかしなことになってしまいます。
朝鮮人参だって自然にできるものだから効くのであって、
その中の成分を化学的に合成したら
恐らく身体の組織が受けつけなくなるに違いありません。
日本で漢方からつくられた薬品が薬事法に合格しないのは、
明治以降の日本の役所が西洋的な理論を過信しているからです。
そのへんが日本人の常識と
中国人の常識がスレ違いになるところです。

このスレ違いは一朝一夕に縮まりません。
従って中国で通用しても日本で許可にならない
薬品や部外品がたくさんあります。
むろん、中国には
いい加減な薬品がたくさんあることも事実ですから、
はじめから疑ってかかってちょうどいいかも知れません。
したがって今後も
中国で売れても日本では売れないクスリが必らずありますし、
どうしても必要なら、
中国まで買いに行かないと手に入らないものもあります。
私は王振国さんのつくった化粧品に
「絶世美人」というネーミングをし、
中国だけで売るように提案しましたが、
新商品になって店頭に並ぶのは恐らく春をすぎてからでしょう。
それまで待てず、どうしても欲しいと思う人だけが
北京か上海まで買いに行けばいいのです。
もし毒物が入っていたら一番先にアウトになるのは多分、
この私です。
なぜって人が2週間以上かけて使う化粧水を
3日に1本の割合で使っているのはこの私なんですから。


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2007年1月7日(日)

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