中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2506回
成長株であるための二つの条件

香港に上場されている中国株の中には
額面が1元のものと、0.1元のものと、0.01元のものがあります。
どれも1株当りの時価が表示されますから、
うっかりすると大へんな高値をつかまされることになります。

たとえば、最近、赤字から好転して
何百倍も増益になったと巷の話題になっている
中国水務という水道事業の会社があります。
この会社の1株当りの額面は0.01元、
つまりたったの1銭です。
それが何百倍もの増益があったと言って
投機の対象になって3ドル台まで買われましたが、
同じく水処理をやっている東江環保は
額面が0.1元で近く大陸で上場するために
0.1元の額面を1元になおすと発表していますが、
假にいまのままとしても、
一方が2.2ドルで、
もう一方がたったの1500万ドル利益をあげただけで
1株が30ドルということになっているのです。
どう見たって勘違いで買われたとしか思えませんが、
勘違いとわかれば再調整は免れなくなります。

成長株に必要な条件は
第一に売上高利益率が高いことと
発行株数がまだ小さいことです。
私がさきにあげた山東羅欣という製薬会社は
この二つの条件とも充たしています。
売上高利益率15%ていどになっていますが、
原価率を見ると、薬九層倍と言うだけあって
いずれも約10%になっています。
売上げがふえても同じセールスマンが売りにまわりますから、
販売費用がそんなにふえないで、
利益率だけグーンと上昇します。
それでいて市場に出回っている株数は
僅か1億5千株だけですから、
投資家が一せいに注目しただけで、
たちまち暴騰する条件が備わっています。
一番肝心なのは
売上げが計画通りに達成できるかどうかであって、
利益がすぐ売上高の上昇分を
追いこしてしまう構造になっているので、
皆が気がついた途端に上昇気運に乗ってしまいました。
株のことですから株価が先走りすることがありますが、
中国水務と山東羅欣では
天と地ほどの差があることがわかります。


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2007年1月19日(金)

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