中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2507回
製薬業界にスポットを当てて見て下さい

成長株の一つとして
数えられるようになるだろう製薬会社の例として、
もう一つあげたのは、
本社は香港にありますが、
生産工場は蘇州にある東瑞製薬です。
山東羅欣とどこが違うかというと、
東瑞の方がスケールも3倍くらい大きいし、
工場も立派だし、名前も知られています。

しかし、薬のセールスマン出身の創業者が経営している羅欣が
全国の隅々まで支店を持ち、
抜群の販売力を持っているのに比べると、
ずっとおっとりと構えており、
政府の薬価統制や同業他社との販売競争でも
他を押しのけるだけの根性には欠けているようです。
ですから羅欣が国内市場の拡張に力を入れているのに対して、
アメリカやヨーロッパの市場開拓に力を入れています。
自社製品と同じ物が
アメリカでは10倍の値段で売られているのを見て、
どこかに販売拠点をつくって
本気になって海外市場の開発がはじまれば、
本社が香港にあるだけに
夢物語と笑いとばすことはできません。

もう一つ羅欣に比べて不利なことは、
羅欣が既に業績と利益で上昇気運に乗りはじめたのに対して、
東瑞の配当は05年の時点で2.5倍もありましたが、
06年は成長のスピードがおちていることです。
それでも昨年並みの配当ができれば、
羅欣の株価に追いつくことが考えられます。
またこちらの方が浮動株が多いので
買っても買っても、まだ売りが出てくることです。
これは売り手が一転して買いにまわるようになれば、
心配するほどのことではありませんが。

そういう期待を可能にする条件は
豊かになった社会で薬がよく売れるようになるということと、
先にもふれたように
原価率がうんと低いために
売上利益率が急上昇する業種であるということです。
既に同業の中で
株価が5ドルをつけている会社がいくつも出てきましたから、
倒産のがけっぷちに立っている同業を除けば、
研究に値する存在だと見ています。


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2007年1月20日(土)

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