中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2516回
銀行株のトップ疾走は一休み?

年末から新年にかけて、
今度は上海B株と深圳B株がかなり動きはじめました。
これはA株とB株がいずれ合併する運命にあり、
それを予想した上での動きですが、
A株とB株が合併する前提として、
外国人も中国大陸で上場されている株を
自由に売買できることが必要になります。
ですから、人民元を自由に兌換される必要もあるし、
そうなるとドッと流入する外貨が
人民元のレートを大きく左右することになりますから、
実現するまでにまだ少々時間がかかるような気がします。

A株とB株が一緒になるとすれば、
安値に放置されているB株ほど
利幅が大きいことになりますが、
そういう株は業績のパッとしない
ろくに配当もできない株ですから、
投機の対象でしかありません。
もし合併が先伸ばしになると、
折角、値上がりした分が
またうたかたに消えてなくなります。
従ってB株を狙うとしても、
合併話がうやむやになっても、
ちゃんと採算に乗る銘柄だけを選ぶにこしたことはありません。
そうした銘柄が上海B株にも深圳B株にもありますから、
それ以外のわけのわからない銘柄には近づかないに限ります。

そんなことよりも、ことし一番大切なことは
既に外貨によって高値まで買い上げられ、
配当利回わりの悪くなった
香港上場の大型中国株の行方をどう見るかということでしょう。
たとえば、銀行株はいずれも公開時より
かなり高値の水準にあります。
配当が昨年のままだったら、
配当利回りは1%前後にとどまります。
そうした株を更に上値まで買い上げるためには
かなりの利益を計上しなければなりませんが、
その可能性はあまりありません。
とすれば、不動産業界の旗色の悪くなっているのも含めて、
銀行株は上向きよりも下向きになることが考えられます。
銀行界の旗振りは一段落ついて、
しばらくお休みになることが考えられます。
朝青龍が連続優勝という具合には
行かないのではないでしょうか。


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2007年1月29日(月)

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