中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2515回
株式投資は精神修養の場ですね

日本の次は香港だと私はずっと思っていました。
BRICsと言っても、
ロシアやインドに自由にお金は持って行けません。
中国だって、
まだお金を持って入ったり、
持ち出したりすることはできません。
でも中国の企業は香港で株を上場していますし、
世界のお金は
香港で中国企業の株を自由に売買することができます。
中国経済は高度成長期に突入しているし、
中国の外貨準備高も日本を突破して
世界一の水準に達しましたから、
世界中を渡り歩く投機資金が
このチャンスを見逃すわけがありません。
問題はいつそれがはじまるかということだけです。

それが現実に昨年の暮れも押し迫った頃にはじまりました。
石油の値上がりによってころがりこんだあぶく銭も含めて、
アメリカに集まったお金が狙うとすれば、
中国株といっても大型株でなければとても間に合いません。
たとえ成長株であっても、
小型株では会社ごと買うことになって
相場が成り立たなくなってしまいます。
大型株となれば、石油とか鉄鋼とか、
なかでも上場して間もない
銀行株、保険株とかいうことになります。
とりわけ銀行、保険などは上場したばかりで、
株主もまだ安定していませんし、
そこへドッと高値の買いが入れば、
あれよあれよと言ううちに大相場が展開されます。

私はそうした相場がはじまる前に、
元金にあたる株は全部処分して回収してしまいましたので、
フルにその恩恵を蒙ることはできませんでしたが、
「売ると上がる」という目に何回もあわされてきましたので、
「儲けのカス」(私はそう呼んでいます)は残してあります。
その分だけが値上がりして何とかカッコはついていますが、
値上がり前にガマンできずに処分してしまった銘柄は
指を加えて高くなった株価を眺めているだけです。
それでも全体の株価の動きを見ていると、
自分が辛抱しきれなかっただけのことで、
銘柄選びにさして狂いがなかったことがわかります。
そうした自信と反省は
この次の投資をやっていく上で自分を勇気づける力になります。
株式投資はやっぱり精神修養ですね。


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2007年1月28日(日)

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