中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2530回
アメリカで起ったことが日本でも

日本の企業が外国で外国の企業の買収をし、
遂に外国の企業が
日本で日本の企業を買収するような動きが盛んになると、
国境をこえて企業の活動範囲が拡がりますから、
先進国で起ったことがそのあとに続く国にも起ります。

国情も違うところで、そんなことが成り立つものかと
私たちは首をかしげがちですが、
アメリカはもともと
世界中の違った人種や国民が集まってできた国ですから、
あまり異和感はないんですね。
現にIBMでも、マクドナルドでも、
その国の人をトップに使ったり、
その国の人に経営を任せたりしていますから
トライアル・アンド・エラーをくりかえしているうちに、
世界企業になって行くのです。
その点では、日本人に見習うべきところよりも
アメリカ人に見習うべきところが多いように思われます。

アメリカ人はいち早くヨーロッパに上陸して、
ヨーロッパで創業していますが、
営業の相手もヨーロッパの人なら、
使っている人もヨーロッパの人です。
資本もはじめは本社が出すとしても、
上場する資格ができたら、現地で上場しますから、
資本も現地ということになります。
すると、どこの企業かということになると、
本社の取り分だけがアメリカのものということになります。

恐らくこれからアメリカ資本が日本の証券市場でやることは、
トップはアメリカでも、買収のお金も日本で調達するだけでなく、
経営のスタッフも日本人というやり方をするでしょう。
既に多くの日本人がアメリカ企業で働いていますが、
アメリカのやり方がお金になるとわかったら、
日本の企業も、またアメリカの企業でコツを覚えた人たちが
その真似をしないわけがありません。
見ている間にアメリカの投資信託のシステムが
日本の金融業界に取り入れられて、
日本も「お金でお金を生む」ビジネスが
産業界の主流になることが考えられます。
証券業がこのまま萎縮して消えてなくなるどころか、
その反対のことが起ります。
これからの産業界へ新しい動きになるのです。


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2007年2月12日(月)

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