中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2529回
「お金でお金を儲ける」ビジネスの全盛時代へ

「中国株が投資の対象としていいことはわかりましたが、
日本株はどうなんですか」
とよくきかれるようになりました。
私は日本株ブームはそう長くは続かないから、
一昨年から昨年にかけてが
日本株のまたとない売り時だと言いました。
どうしてかというと、日本の消費が増大する環境にない中で、
リストラがすすんだのと、
たまたま中国経済の高度成長によって資材不足が生じ、
その需要が日本にまで及んだけれど、
それが一巡すれば、日本の景気は
また凋んでしまう可能性が強いとふんだからです。

それでも産業界が増収増益に恵まれれば、
株価は上向きになります。
そこを狙って世界をウロウロして
投機のチャンスを狙っている遊資が流れ込んできたら、
株価が大暴騰します。
そこを狙ってブームに相乗りしたら、
差益を稼ぐチャンスはあります。
でも大半の人がそうであるように、
そんなに器用に動けない人にとっては、
長い間、持ったままになっている塩漬の株の売り時になるのです。

結果的に見ると、大体、その通りのことが起り、
一勝負終わって
資金を引き揚げたがっている外資が日本円を売りに出しても
買ってくれる相手がいないために、円安が続くだろうといったことも
ほぼ、予言通りになっています。
するとこの先、日本株はもっと値下がりするのでしょうかと
恐れおののく人がありますが、
そうなったら、日本の金融業界は立往生してしまいます。
いま日本の国は工業生産の基地が海外に移った分だけ、
資金は「お金でお金を生む」業界に動き、
新聞をひらいてもテレビを見ても、
「お金を集める」仕事に人々の関心が動いています。
チャンスの少くなった業界に逆にお金が動いているのですから、
日本の株式市場がそのまま冬眠に入るわけがありません。

どうやったら株価を押し上げることができるか、
ということにお金が集中しはじめていますから、
日本には利殖の全盛時代が来ると私は見ています。
もちろん、中国株をはじめ、
有力な海外投資に動くお金も含めての新しい動きですが・・・。


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2007年2月11日(日)

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