中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2536回
成長株買ったら毎日、株式欄を見るな

私が中国の高速道路がこれからよくなると言ったのは、
高速道路を走る車がほとんどなく、ガラガラ空きの時でした。
でも物凄い勢いで自動車ブームが起っており、
そのうちに高速道路が一杯になる時が来ると思ったのです。
その頃はどの高速道路の株価も1元台でした。
1円以下の株もありました。
それがいまでは軒並み5元台にはねあがっています。
お金がそちらに向って
ドンドン流れて行く方向にある仕事に従事している企業は
びっくりするほどお金が儲かるようになるのです。
ですからそういう立場におかれている会社の株を安いうちに買って
ジッとガマンをして持っておればいいのです。

既に事実が証明していることについては皆が納得します。
ところが、まだ起っていないことについては疑心暗鬼で、
自分だけうまいことやっているんじゃないかと
疑ってかかる人がたくさんいます。
株は競馬と違って、他人が賭けたお金を
当てた人がもらうわけではありません。
株価があがればそれで皆がトクをする仕組みになっています。
最近のM&Aが多くの人たちから歓迎されるようになったのも、
株の値上がりによってトクをする人はあっても
損をする人がいないからです。

ですから私は3倍も5倍も値上がりする株を狙います。
しかし、業績のあがる企業でも
そこまで達するのには時間がかかります。
その間、毎日株価ばかり見ていてはいけません。
なるべくなら株のことなんか忘れているくらいがいいのです。
かつて成長期の日本で
三井不動産の株を成長株にあげたことがあります。
そのことを社長の江戸英雄さんに言ったら、
「うちの会社を成長株と考えるのは邱さんくらいなものだ」
と笑われました。
でも私は
「毎日株価を見ていると、すぐ高くなった株を売りたくなるから、
名義を書き換えたら
株券は破って捨てるようにすすめているのですよ。
そうしたら売るに売れませんから、
そのうちに一財産できてしまいます。」
と講演の中で喋ったこともありました。


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2007年2月18日(日)

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