中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2544回
いずれは道路株も成長株の仲間入り

上海棟華は新株を1.1ドルで第三者に増資をすると発表したために、
2.2ドルまで買い上げられた株価が
1.5ドル前後まで暴落してしまいました。
第三者割当の交渉をしていた時は
まだ1.1ドル前後の株価だったのでしょう。
それが投資家たちに目をつけられて急上昇したので、
経営陣も勝手が違ってしまったのではないでしょうか。

でも私が抗議を申し込むと株主側の要求を容れて、
第三者のほかに、株主に対して10株あたり3.6株の比率で
1株1.1ドルで増資割当をする決議を株主総会でやりましたので、
あとは香港取引所の裁決待ちというところまで漕ぎつけました。
その後の株価を見ると、
1.5ドル前後に安定していますから、
順調に権利落ちしたら1株が1.4ドル前後ということになります。
中国の株は権利落ち後、
売りが出て値下がりする習癖があるので、
あるいはそれより少々安くなることが考えられます。
そうした時がこの株の買い時であるかどうかは
皆さんがご自分で判断して下さい。

ただ海外株の増資を日本の居住者が応ずるためには
政府の許可が必要だという妙な規定があって、
日本から増資払い込みができないときいています。
前に新世界中国が増資した時にも、
日本の投資家たちが棄権した前例があります。
1億総投資家時代にふさわしくない法律だと思いますが、
そういう規定にひっかかる人はここで一旦、
株を売って増資後に、安値で再び買い戻すか、
このまま権利を放棄して株価を下落するに任せるか、
ということになります。
こんな目にあわされるのなら、
いっそ外国に行って住もうかと考える人が増えるかもしれません。
こんな状態が続くと、
そのうちに貧乏人と怠け者だけが
日本に残ることになってしまいかねません。

それはともかくとして、
上海棟華が増資を完了するのにあと2、3ヶ月はかかりそうです。
その間、投機の対象になることは先ず考えられません。
でも懸案が一通り片づいたら、
道路事業は成長産業の1つですから、
この株も成長株の仲間入りをすることに異議は先ずなさそうです。


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2007年2月26日(月)

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