中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2559回
上海のパン屋は目下、激戦中です

これから店子を入れようという亜太設計中心の中を覗いたら、
まだ台湾のデザイン会社とか、
講演会場くらいしかできていないのに、
コーヒー工場という看板のかかった一棟がありました。
近づいて見たら、ろくに企業や人も集まっていないのに、
そこで働く社員たちの食堂の方が先にできているのです。

私がすぐに気がついて
「コーヒーにこだわっているのですね」
ときいたら、
「ええ、台湾にいた頃、
コーヒー・ショップをひらいたことがあるのです」
という返事がかえってきました。
いま台北の町を歩くと、
1つの通りに少くとも10軒はコーヒー・ショップがありますが、
もともとそれを台湾人に教えたのは日本人のコーヒー屋さんです。
仕事半ばで日本に戻ってしまった人たちが多いのですが、
そのあとを引き継いだ台湾の人たちが台湾だけでなく、
いまや大陸の各地でコーヒーハウスをひらいています。
上海のスターバックスも北京のスターバックスも
実際に経営しているのは台湾の人たちです。
それが何とか形になってきたのを見て、
シアトルのスターバックスの本社が
直営に戻すべく買収にかかっていますが、
恐らく中国の本土でもコーヒーショップは
台湾と同じような動きになるのではないでしょうか。

私が雲南省の保山市というところにコーヒー園をつくり、
工場まで運営するようになったのは、
偶然と物好きからはじまったことですが、
とうとう北京にパンとケーキをつくる
かなりスケールの大きな(と言っても敷地が500坪くらいの)
工場をつくってしまいました。
その理由はと言えば、
北京のパンとケーキがあまりにまずくて
ガマンができなかったからですが、
まだ工場が完成していないのに(ことし5月完成)、
いまの工場では生産が間に合わなくなってしまいました。

その私から見たら、上海にも北京と同じことが起っています。
もっとも上海の方が洋化の傾向は早く
韓国とシンガポールのパン屋さんたちが一足早く進出して
しのぎを削っています。
山崎パンもその中に割り込んで
これから次々と支店を展開して行くところです。


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2007年3月13日(火)

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