中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2575回
中国が咳をしたらアメリカが風邪を引く時代に

世界的な株価の大暴落が起っているのに、
私が全く無反応なのを見て、
もしかしたらQさんも年をとって呆けてしまったのではないか
と心配されている向きもあるようです。
長旅に出る前に
既に留守中の原稿を書いてしまったこともありますが、
実はいま起っていることは
世界のお金の流れを大きく変えてしまうような
重要な動きでないと見ているからです。
2週間もすれば、何が起っているかはっきりする、
それまではあわてて文章を書きなおす必要はないと思ったのです。

一つには、株価が下がったと言っても、
大した下げではないし、
私がことしは同業種間で差別化が起るだろう、
たとえば鉄屋でもいいのと悪いのとに差がつくだろう、
自動車や不動産屋にも同じことが起るだろうと見ていますが、
私が成長株と目している銘柄は多少の遅れはあっても、
ほとんど不動か、逆に悪環境の中を値上がりしています。
常茂生化のように
軌道に乗るのに遅れが出ているものもありますが、
そこで下りてくれる人がおれば有難いと思っているのですから、
軌道の修正をする波の音は
どこからも聞こえて来ないのです。

はたして2週間もすると、
どこで何が起っているのか、だんだん明白になってきました。
新聞を見ると、
世界的な大暴落は
中国株のよろめきがきっかけになったとか、
起き上がろうとしているところで、
円高が急速に進んだので
アメリカ株がまたこけたと報じていますが、
正体はアメリカの長く続いた好況が
不動産の頭打ちで終わりに近づいたことに
起因しているらしいことがだんだんわかってきました。

もとよりこれで世界的大不況におちいるわけではなくて、
中国が咳をしたら、
アメリカが風邪をひく時代になった
―というのが今回の私の感想です。
風邪をひいたのも
本当は中国経済が頭打ちになったせいではありませんが、
アメリカが不景気になって消費が減ったとしても
アメリカの消費者が安いもので間に合わせようとすれば
メイド・イン・チャイナが売れるので、
中国の貿易黒字はそんなに大きくは
変わりそうにもありませんね。


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2007年3月29日(木)

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