中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2581
中国の資産インフレに目を向けて下さい

一大消費市場の出現と流動性過剰による資産インフレが
重ね合わせて、私たちの前に立ちふさがっているので、
よく研究しないと間違った布石をしてしまう心配があります。

何しろ中国はことし2月の貿易黒字だけでも
237億ドルという、
よその黒字国の1年分くらいの数字になっていますから、
愚図愚図して対策を遅らせると、
物凄い資産インフレに見舞われるようになってしまいます。
あまった外貨を海外投資を目指す企業に使わせる組織をつくると
中国政府は声明していますが、
それを待たずに資産インフレと賃上げがすすみますから、
政府は次々と起る変化に対応して行かなければなりません。
胡錦濤主席が「調和」をスローガンとして打ち出したのも、
裏をかえせば、
これまでの「調和」が崩壊に瀕している
ということにほかなりません。

なかでも、流動性過剰による金あまりが洪水の勢いになると、
かって日本でそうだったように、
お金の集まった銀行が優良貸付先をまわって
「お金を借りて下さい」
と頼みに行くようになります。
そうしなければ、
銀行でお金が遊んでいることになってしまうからです。
したがって銀行と企業が組んで
資産インフレを推進する光景が現われることが考えられます。
しかもその投資先が不動産とか株とかということになると、
最近、売りの対象になった不動産、保険会社、
銀行などの資産と関係の深い業種に
再び陽が当る可能性が強いと言わざるを得ません。
これらの株の中で同業間の競争に打ち勝って行ける銘柄に
人気が集中することが考えられます。
但し、今日、明日にも実を結ぶようなせっかちな話ではありません。
次の大きな流れを睨んだ上での目のつけどころということです。

早いもので、
「次はM&Aが日本の株式投資の主流になるだろう」
という話からはじまって
「もしもしQさん」の第24巻が一冊分の分量になりました。
明日からはまた新しいテーマに移りますので、
どうぞよろしく。


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2007年4月4日(水)

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