中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2597回
中国には2種類のレストランしかありません

日本では賃上げなど
もう昔の夢また夢になってしまいましたが、
中国ではこれからいよいよ本番に入るところです。
人手不足に悩む企業から引っこ抜きの声がかかるので、
引っこ抜かれまいとすれば、
自分のところで働いている者の賃金も、
世間並みの水準まで引き上げざるを得なくなります。
まだはじまったばかりですから、
平均賃金がいくらになるのか、いくらが適正なのか、
実際に直面して見なければ何とも言えません。
わかっていることはこれから賃上げが年々激しさを増して、
経営者の側が頭を痛めるようになることです。

ではもらう方は大喜びかと言うと、
人間は勝手なもので、
隣に比べて自分の方が少いと不平不満を言うようになります。
それでも使うお金が年々ふえ続けることに
間違いはありませんから、
ふえたお金の動きが
売れる商品や商売のやり方を一変させてしまいます。
そのへんのところを正確にキャッチできれば、
新しい事業を成功させ、一財産築き上げることも可能です。

ふところに入るお金がふえて、
人々が先ず何にお金を使うかというと、食べることです。
スーパーやコンビニの売上げがふえるスピードも、
店のふえ方を見たらすぐにわかります。
しかし、それ以上に目立つのは
レストランやコーヒーハウスなどのふえ方です。
いままでそういうところを避けて通った人たちで
どこの店の中も溢れんばかりです。
あの繁盛ぶりを見たら、
誰でも、手っ取り早い金儲けをしたかったら、
食べ物屋をひらくことだと思うでしょう。

しかし、よくよく見ると、
押すな押すなで行列のできるレストランのすぐお隣に
ガランとして人の気配もないレストランが並んでいます。
色んなレストランがあるように見えても、
いまの中国には2種類のレストランしかありません。
「お客のよく入っているレストラン」と
「ガラガラのレストラン」です。
どうしてそうなのか、おわかりになりますか。
経営者の中にも
世の中の変化について行ける人と
ついて行けない人があるからです。


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2007年4月20日(金)

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