中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2602回
不動産は財産価値のある「商品」です

もう一つ、お金が集まってくる対象になるのが不動産です。
日本の不動産は土地という(造成はできますが、)
有限なスペースが投機の対象になりましたが、
中国ではすべての土地が国有になっていて、
しかも建物を建てることが借用の前提になっているので、
その使用権と建造物が売買の対象になっています。
早い話が売買の対象になっているのは土地そのものではなくて、
その土地の上に建っているマンションとか、
オフィスとか、店舗、ということになります。

巨額の資金を動かせる大企業は
大きな建物をまるごと所有することもできますが、
個人や個人に毛の生えた程度の企業では、
精々、その区分所有に参加できるのが関の山でしょう。
それでもお金がふえる時代になると、
そのお金の財産価値を保全するために不動産にお金が投ぜられます。
何千年来の習慣で、農民は農地を買い、
商人は商店や家屋敷を財産として所有してきましたので、
少し余裕ができると不動産にお金を投じます。
現金はいつの時代も目減りする方向にありますから、
とりわけ今日のように札ビラのふえ続ける時代には、
人間は反射的にお金を不動産に投じます。
但し昔と違って、いまは土地の有効利用がすすみ、
その何十倍という建物が次々といくらでもできてきますから、
有限な物の奪い合いというよりは
商品の開発と買手の駈け比べという様相を呈しています。

それでも不動産は値上がりするのかときかれたら、
たとえば、日本で土地ブームがあった時代と
答えは同じではありません。
いまの中国の不動産は不動産というよりは
土地の上に建造された「商品」と考えた方が実情に近い存在です。
建造物は償却の対象になる財産の一種ですが、
ロケーションは生産することのできないものです。
そうしたきわめて特殊な償却財産が投機の対象になるのですから、
どう扱うかは
人によって考え方に違いがあっても不思議ではありません。
それでも投機の対象になることは充分、考えられることですが。


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2007年4月25日(水)

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