中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2615回
変化はいつも成功へのチャンスです

上海A株の暴落がきっかけになって
世界中にそれが波及した時、
私が他所見に終始して
一向に問題に触れようとしないのを見て、
「Qさんの近頃は面白くない」
「Qさんも年とっていよいよあれだな」
と文句をつけた人たちがおりました。
ちょうど旅行に出かける前に起こったことであり、
原稿の書き溜めをしておく必要がありましたが、
留守中、大したことにはならないとタカをくくって
あまり、問題にしなかったのです。

実際に昨今、中国で起こっていることは
過剰流動性による金あまりと
賃上げによる消費経済への本格的な動きであり、
政府がいくら向きになって対策を立てても
太刀討ちのできない難しい時期にさしかかっているのですから、
投資家たちが顔色を変えるようなことにならない筈だ
と思っていました。
私が受けた印象から言えば、
株式市場に大異変が起こる時は
いつもニューヨークからはじまっていたのが
史上はじめて、中国が震源地になったということです。
「いよいよアジアの時代になるんだな」
というのが私の最大の感想でした。

でも今回は大したことがないとしても、
世界中が金あまりの時代に入っており、
それもアメリカが輪転機をまわしてつくりだしたものですから、
ドッと中国に1点集中する形になると
干満の差がいままでになく、大きなものになり、
有頂天になるチャンスでもあるけれど、
ジェット・コースターから墜落して
大怪我をする可能性も増大したぞということになります。
但し、それはこれからはじまることであって、
まだ乗り込んでもいないところですから、
生まれる前から死んだ時のことを心配しても
仕方のないことです。
私たちにできることは、
いままでと違った大きな潮の流れになるけれど、
大波にさらわれないでうまく潮に乗るのには
どうすればよいかということです。
どう考えても
失う心配のある大金を持った人が心配すべきことなのに、
そんな心配と縁のない貧乏人が
先頭に立って騒ぎ立てるのは滑稽だと思いませんか。
変化は貧乏人にとって
成金になるまたとないチャンスなのです。


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2007年5月8日(火)

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