中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2617回
シロウトがクロウトに打ち勝つのです

世の中に出て事業家として大成功をした人で、
最初に手がけたことで成功した人は先ずおりません。
ほとんどの人が
あれこれさまざまのことに手を出して失敗をくりかえし、
それでも懲りずにまた別のことを試みているうちに
成功のきっかけをつかみます。
それが事業として成り立つことがわかると、
いままでやってきたことも、
次にやれるかも知れない仕事にも手を出さずに、
同じ仕事をくりかえし拡げることによって
成功への道をまっしぐらに走り続けるのです。
鉄道王も造船王も石油王も自動車王も
歩いている道は一つなのです。

そうした誰でも知っているその道の大先輩でも
はじめは全くのシロウトでした。
シロウトが工夫を重ねてその道のクロウト筋に挑戦して
新しいアイデアを打ち出したからこそ
その道のトップを切るようになったのです。
でも私は知らないことには興味津々でも、
クロウト張りの知識を持つようになると、
興ざめしてしまいます。
はじめだけ無我夢中で
養鰻から牧場づくりから
コーヒー園づくりの本まで買ってきて読み漁りますが、
クロウト並みの知識を持つようになると、
あとは人に任せてまた新しい仕事を探がしてまわるのです。
折角成功のメドのついた仕事は他人任せにするので、
いつまでたっても成功者の仲間入りができず、
「シロウトは口を出すな」と言われてしまうのです。

私のそうした生き方を見て、
イトーヨーカ堂の伊藤雅俊さんから、
「邱センセイのような人が一つ事に打ち込んだら
大事業家になっていたでしょうね」
と言われたことがあります。
私も遠慮のない方ですから、すかさず、
「あなたのようにバカの一つ覚えで、
同じことをくりかえすだけの根気がなければ、
大事業家にはなれるわけがありませんよ」
と言いかえしました。
もちろん、私は同じことをくりかえして
大成功者になった人には敬意を持っているし、
一目も二目もおいています。
でも私自身は
「一生書生」であることに生き甲斐を感じていますから、
同じ道を歩けるわけがありません。


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2007年5月10日(木)

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