中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2618回
中国の広告業界は皆がシロウト

私は新しい事業を手がける場合、
自分ももちろん、シロウトですが、
事業のスタッフも全部シロウトです。
クロウトは使いません。
どうしてかというと、
クロウトはどうしてもいままで経験したことに頼りがちで、
頭の中が固定観念で一杯になっているからです。
既存の同業者に打ち勝って行くためには、
その道のクロウトが考えつかないような
新しいアイデアを打ち出すよりなく、
それこそがシロウトの特権だからです。

私は学生が7千人いる日本語学校のオーナーをやっていますが、
私が校長に任命した青年は
日本の文化学院を卒業して、
私の秘書をはじめたばかりの28才の青年でした。
また台湾でその名を知られた経済雑誌「財訊」
(台湾の四季報はこの30年来、
この出版社が一手に受け持っています)の社長は
私がオーナーをつとめていた大きな中華料理屋の経理部長でした。
活字に号数のあることすら知らなかったズブのシロウトが
3百人も人を使う出版社の社長になれるなんて思ってくれた人は
一人もいませんでした。

最近のこと、
私は中国大陸が本格的な消費経済の時代に突入しはじめたのを見て、
これから成長する分野にあれこれ目をつけました。
その中の一つに広告業界があります。
広告業は国によって生い立ちが違いますから、
当然、中国と日本とでは事業の進め方も違います。
日本だってユニークな経済の発展をしていますから、
電通や博報堂にしても
ヨーロッパやアメリカの広告会社とは違った
成長の仕方をしています。
中国の場合は、共産主義による産業界の支配が続いてきましたから、
そもそも広告なんか必要なかったのです。
万年物不足で、生活必需品はすべて配給されていたのですから、
広告に辿りついたのはついこの数年のことです。
広告業者が誕生したのもつい最近のことであり、
広告の媒体も日本あたりと違うのは当然です。
みんなシロウトでわいわいやっているところへ
シロウトの私が乗り込んで行っただけのことです。
といっても私はその中で
見込みのありそうな広告会社の株を買っただけのことですが。


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2007年5月11日(金)

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